教材の進度について。

 

私の教室では

教材の進度

進み方が早いか遅いかを

質問される方はほとんどいらっしゃいませんが・・

心の中では

実は気になっている

心配・・

と思ってる方もいるかもしれません。

 

今日はその

進度について

お話させていただきます。

 

以前、一度こんなご質問がありました。

 

「小学2年生くらいだと

もう、ブルグミュラーを弾いているか

終わっているか・・

そのくらい進んでいてもと思うのですが・・」

 

そうですね。

 

幼少の頃から始めて

音大を目指して

そういう教育を初めから受け

ご家庭でも

練習時間をしっかり確保して

親子で頑張れば

 

それは当たり前の世界です。

いえいえ

ブルグミュラーでは遅いくらいです。

 

また

本当にピアノが好きで

更にお母様もピアノが弾けて

毎日毎日よく練習していけば

そこまでいくはずです。

 

その時は

「それは特別な例です」

という意味のお返事をしたと思いますが

 

まずは

ピアノを始めた年齢

練習環境

練習意欲

これによって大きく変わります。

 

でも私は

ピアノの教材を早く進ませることを

一番に目をむけるのは

危険なことだと思います。

 

早く進むことだけに目をむけると

1曲を合格することだけに

気持ちが向いてしまい

その1曲で何を学ぶのかを

忘れがちになります。

 

音楽ですから

まずは音を楽しめるようになってほしい。

1曲を味わって弾いてほしい。

 

機械的にどんどん弾いていった先にあるものは

もう、目に見えています。

 

音楽に気持ちをのせることができなくなります。

 

ピアノニストになるため

または

音大へ行くために

幼少の頃から厳しいレッスンを受けて

一体どれだけの人が挫折するでしょうか。

音楽が嫌いになってしまったら

その子たちの人生においての

大きな損失です。

 

今、ピアニストだったり

音大に行ったりしている方々は

そうしたスパルタ式の

レッスンを乗り越えた人たちが多いのです。

 

「楽しい」

 

だけではすまない世界。

 

音大に行くか行かないかは

始めてみないと

その子に素質があるかもわからないし

音大に行った後、どうするの?

そこまでのビジョンがないと

行っても仕方がないと思います。

 

私は上野学園大学に

行きましたが

中学・高校にも音楽科があり

その子たちは小さい頃から

そういう教育を受けてきて

音大を卒業した時には

もう疲れてしまって

ピアノや音楽とは全く縁のない職場へ

就職した人が多かったのです。

 

幸い私は好きという気持ちだけで

ピアノを弾いてきて

もちろん

受験を決めてからは頑張りましたが

スパルタ教育は受けていません。

 

だからこそ

こうして今でも

音楽が大好きで

心の支え

人生の支えになっています。

 

一番大切なことは

進度ではなく

音楽を心から楽しめているか

進度はその次にくるものだと

私は思います。

 

この世界1人として

同じ生活を送っている人はいません。

お稽古ごとの数

自宅での音楽環境

学校の宿題の量

住宅事情・・。

みんな違います。

 

全く同じように進むわけがありません。

 

進度を気にして

大切な「こころ」を

落とさないようにしてあげたいですね。

 

 

愛♪PIANO SCHOOL ROOM